染め箱完成間近。
更に色を深くしていきます。
先日の箱と比べずいぶん黒くなりました。
中に染みこんだ色の美しさに、作っている手を止めるほどです。
鉄を使って、更に黒く黒く。
その昔、ヌルデはお歯黒をするときに利用されていました。
手袋をしていないと指の先、ツメが黒く染まってしまいます。
☆五倍子について備忘録☆
ヌルデの葉にヌルデシロアブラムシ Schlechtendalia chinensis が寄生すると
大きな虫癭(ちゅうえい)を作る。これをフシ(五倍子)という。
虫癭には黒紫色のアブラムシが多数詰まっている。
この虫癭はタンニンが豊富に含まれており
皮なめしに用いられたり黒色染料の原料になる。
染め物では空五倍子色(うつふしいろ)とよばれる
伝統的な色をつくりだす。
インキや白髪染の原料になるほか、かつては既婚女性、
および18歳以上の未婚女性の習慣であったお歯黒にも用いられた。
生薬として五倍子(ごばいし)あるいは付子(ふし)と呼ばれ
腫れ物、歯痛などにもちいられた。
ヌルデの果実は塩麩子(えんぶし)といい、
下痢や咳に用いられた。この実はイカルなどの鳥が好んで食べる。
空五倍子色(うつぶししろ)はこちらをご覧ください。
by petacokimono | 2011-06-17 18:08 | ハンドメイド